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第2章【銀行】
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1960年代には規模拡大を狙ったメガバンク同士の合併が行われるようになりました。1960年代から1970年代にかけての第一勧業銀行(第一銀行と日本勧業銀行が合併)、太陽神戸銀行(太陽銀行と神戸銀行が合併)の設立などは、このような大型合併の代表的なものです。また、1990年代以降、金融機関の破綻が発生し、金融システム安定化のために銀行に対して公的資金による資本増強が行われるなど、銀行経営の健全性に対する関心が高まりました。一方で、いわゆる日本版「金融ビッグバン」や規制改革を受け、銀行・証券・保険の相互参入や異業種からの銀行業への参入により競争が激化したほか、銀行の合併・統合や金融グループのコングロマリット化も進展しました。具体的なメガバンク同士のM&Aとしては、富士銀行・第一勧業銀行・日本興行銀行の3行による「みずほ」の誕生から始まり、これが、住友銀行・さくら銀行による「三井住友」や、三和銀行・東海銀行による「UFJ」や、大和銀行・あさひ銀行による「りそな」などに波及、大再編へと繋がりました。近年ではメガバンク同士の再編は一段落しましたが、地方銀行や信用金庫が絡んだM&Aは今年に入ってからも活発で、「住友信託銀行と八千代銀行の資本提携」「西日本シティ銀行による豊和銀行への出資」「福岡銀行と熊本ファミリー銀行の統合」など地方銀行が絡んだM&Aのニュースが相次いでいます。また、業績堅調なメガバンクや大手地方銀行が地元金融機関との資本提携による地方への進出を図る動きが増えています。銀行業界以外にもネット証券の台頭が著しい証券業界や上限金利の見直しが検討されている消費者金融業界なども今後M&Aが活発に行われることが予想されます。
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1960年代には規模拡大を狙ったメガバンク同士の合併が行われるようになりました。1960年代から1970年代にかけての第一勧業銀行(第一銀行と日本勧業銀行が合併)、太陽神戸銀行(太陽銀行と神戸銀行が合併)の設立などは、このような大型合併の代表的なものです。また、1990年代以降、金融機関の破綻が発生し、金融システム安定化のために銀行に対して公的資金による資本増強が行われるなど、銀行経営の健全性に対する関心が高まりました。一方で、いわゆる日本版「金融ビッグバン」や規制改革を受け、銀行・証券・保険の相互参入や異業種からの銀行業への参入により競争が激化したほか、銀行の合併・統合や金融グループのコングロマリット化も進展しました。具体的なメガバンク同士のM&Aとしては、富士銀行・第一勧業銀行・日本興行銀行の3行による「みずほ」の誕生から始まり、これが、住友銀行・さくら銀行による「三井住友」や、三和銀行・東海銀行による「UFJ」や、大和銀行・あさひ銀行による「りそな」などに波及、大再編へと繋がりました。近年ではメガバンク同士の再編は一段落しましたが、地方銀行や信用金庫が絡んだM&Aは今年に入ってからも活発で、「住友信託銀行と八千代銀行の資本提携」「西日本シティ銀行による豊和銀行への出資」「福岡銀行と熊本ファミリー銀行の統合」など地方銀行が絡んだM&Aのニュースが相次いでいます。また、業績堅調なメガバンクや大手地方銀行が地元金融機関との資本提携による地方への進出を図る動きが増えています。銀行業界以外にもネット証券の台頭が著しい証券業界や上限金利の見直しが検討されている消費者金融業界なども今後M&Aが活発に行われることが予想されます。 まず、何故このように銀行のM&Aは活発化したのでしょうか。真の動機は、「経済合理性」によるものなのでしょうか。この大再編はむしろ、会社の業界内での地位・プレゼンスの維持・向上や、経営者の自己実現など、「社会(学)的要因」の方が強く作用するのではないでしょうか。それが証拠に、大手銀行のM&Aがおこった後、他行の間でも、一斉に統合・再編の流れが加速したという事実があります。 【他に銀行がM&Aを実施した理由やM&Aのメリットがほしい!】 バブル崩壊当初、メガバンクは各行とも「再編には統合メリットが見出せないので、統合するつもりはない」と主張していました。ところが、富士銀行・第一勧業銀行・日本興行銀行の3行による「みずほ」の誕生で状況は一変しました。これが、住友銀行・さくら銀行による「三井住友」や、三和銀行・東海銀行による「UFJ」や、大和銀行・あさひ銀行による「りそな」などの誘因となったのは明らかでしょう。また、他の考えとしては、銀行業にとって重要な「規模」をM&Aによって拡大するという戦略があったと考えられます。 このように考えた場合、現在、地方銀行にとって再編問題のポイントは「他行に置いて行かれるリスク」にあるといえます。そこで、次に、地方銀行や信用金庫が絡んだM&Aが今年に入ってからも活発になった理由と、銀行業M&Aのあるべき姿について論じていきたいと思います。 コングロマリット化は米国では独占禁止政策により同一業種の合併が困難なこと、第3次産業の発達などを背景に1950年代から1960年代末に活発化しました。しかし、M&Aを通じての短期的利益の追求により、製造業の空洞化につながったとの指摘もあります。 このことから、M&Aによる事業強化という再編の面では長期的な収益を見込めます。しかし、安易な短期的利益の追求のためにM&Aを用いる危険性をM&A動向を見ていて感じます。 1. * comment(vsize=2,nsize=20,size=40) M&Aは増加傾向、グローバル化・マネー化の台頭で M&Aコンサルティング会社のレコフによると、日本のM&A市場は、2000年以降に急速に拡大している。2006年には2775件で過去最高を更新した【図2参照】。国内の日本企業どうしによる「IN-IN型」が8割近くを占める一方、日本企業による外国企業の買収「IN-OUT型」も増える傾向にある。昨年2月の日本板硝子による英ピルキントン買収、同12月のJTによる英ガラハーの買収など、国内企業による海外企業の大型買収も目立っている。 図2 1985年以降の日本のM&A件数推移 2007年は1-3月期の数字、レコフ資料よりQUICK作成 バブル崩壊後、M&Aは企業のリストラ策で活用されるケースが多かったが、近年ではグローバル化に伴う競争激化で業界再編が進んでいることに加え、ファンド(投資会社)の参入などで案件の大型化も進んでいる。同社調査によると、ファンドによる日本企業へのM&Aだけでも3年連続で300件を超えるという。国内のM&Aは、ファンドの台頭・グローバル化による第3期に入ったとも言えるため、件数・金額ともしばらくは高水準が続きそうだ。 会計問題などもあり、2009年までは本格化しにくい? M&Aに詳しいレコフ上席執行役員の森山弘和氏は、国内の少子高齢化や団塊世代の大量退職に伴う国内需要の縮小、業界再編などに伴うM&Aは今後も増えるとしながらも、「敵対的な買収は増えないでしょう」と指摘する【写真1】。米国でさえM&A全体で成功したケースは全体の3分の1に過ぎず、「日本では市場の論理より、私情が優先されるケースもあります」(同)。2006年の王子製紙と北越製紙、アオキとフタタのM&A提案例が示すように、現経営陣に友好的な買収提案でなければM&Aは成立しにくい。 写真1 レコフの森山弘和氏三角合併についても、「2009年の国際会計基準への収れん、2009年3月期からの内部統制ルールの適用などが完了しない限り、買収監査(※注)すらしないで外国企業が日本企業を敵対的に買収することは難しいでしょう」(同)という。2009年までには米企業とEU企業の財務諸表の相互承認が予定されており、日本も対応が迫られている。いまのところは会計基準が違うため、外国企業が直ぐに三角合併を利用するのは難しいというのだ。仮に外国企業が日本企業を買収した後、その日本企業に粉飾決算などが見つかれば、外国企業の経営陣は既存の株主から株主代表訴訟を起こされるリスクを持つ。 この2月に三洋電機、日興コーディアル証券らが過去の決算を訂正したことは記憶に新しい。外国企業が粉飾決算リスクを避ける上でも、日本企業を積極的に買収する可能性は短期的には低いようだ。
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